こんにちはそうたろです。
今回は僕のサーフィンと言う奥深い世界への筆おろしに付き合ってくれた、佐藤シャークについてのお話です。
僕が奴に会ったのは2ヶ月ほど前。
6.1フィート、少し細身で所々怪我をしていたが、130ドルという破格の値段で売られていたのだ。
正直言うと、480ドルの長身(ロングボード)が目に飛び込んで来て、その怪我ひとつなく美しい木目にはかなり惹かれはした。
けれど、初心者が何言ってんだってことで、ビギナーな僕らはニュージーランド最大のCtoCネットショッピングサイト『Treadme』のベイオブプレンティ(ニュージーランドの地名)付近で1番安く売られていた小柄の奴に決めた。
しかし、奴はショートボードと呼ばれる種類で、この種類は初心者には不向きと言われている。
初心者な僕らにはそれがどれくらい不向きなのか知らないまま手に入れることになった訳だ。
ショートボードとはその名の通り短いボードの事で、ロングボードに比べると2周りも3周りも小さくなる。
小柄なので小回りがきいてトリックがキメやすい。
その代わり、小さい分浮力がないのでボードが安定せず、波に乗るのが難しいのだ。
そんな事情などなにも勉強しないまま僕等はスタートを切る事になった。
要するに僕らは舐めていた。
そんな感じで始めたもんだから、当然悲惨な洗礼を受けた。
波に乗れないのはもちろん。
波に遊ばれまくって、僕等のサーフィン生活は思いっきり出鼻をくじかれた。
結局、去年はなんだかんだと理由を付けて、10日の内に2回しか行かなかった。
年が変わり、確かウェットスーツを買ったくらいからだと思うけれど、サーフィンに出る回数が多くなった。
そこからはトライアンドエラー。
まだまだ打率は1.5位だけど、とにかくほぼ毎日サーフィンに行くようになった。
そんなサーフィン生活を支えてくれたサーフボード。
奴の名は『佐藤シャーク』
いつもは大人しく車の上に括りつけられて居る僕らの仲間のひとりだ。
シャークとの別れは突然訪れた。
サヨナラも言うことが出来ずに奴は僕らの目の前から姿を消したのだ。
夜になってタケが血相を変えて走ってきて言った。
『シャークが居ない』
何を言っているのかわからずにふと車の上に目をやると、既にそこに奴はなく、奴をくくりつけるロープだけが、だらりと垂れ下がっていた。
奴は旅に出た。(括るの忘れたまま車運転してた)
ともかくシャークはもう居なくなったが、やつがもたらしたサーフィンの楽しい思い出が残った。
その日タケと2人で簡単にお通夜を済ませた。
次の日
ともかく悲しんでも仕方ない。
やつの意思を引き継ぐ為にも、新しいスタートを切らないといけない。(僕らが括るの忘れた)
新しい仲間はジョーダン・ジョーズ
6.1フィート、キズ少なめ、少し太め
こいつは大切にしよう。