おならの話。

僕は今、イタリア人のアレックスとイギリス人のジミーと三人で暮らしている。
8畳程の部屋に3人だ
そんな僕等の生活の中で切っても切り離せない存在がいる

オナラだ

自然現象だから仕方ない

誰かが

ぷぅ
っとオナラをすると他の二人が

「whaooo」 と反応する

いつの間にか

僕等3人は部屋でオナラを遠慮なくするようになった

5分に一度ぐらいのペースで誰かが

ぷぅ

と屁をこく

その度に誰かが合いの手を入れるのだ
誰かが

ぷぅぅぅぅぅぅ

と屁をこいたと思ったら

また別の人は

ぷすぅぅぅぅぅ

と力をうまい具合に抜いた屁をこく
そのオナラを起点に僕等の会話は、始まる

そう

これは
突発的なオナラをどれだけ面白くできるかというゲームなのである

ぷぅ

という合図でゲームが始まる

脳の瞬発力

一瞬の面白い物を瞬時に見つける力
笑顔を作る顔の筋肉

を1番効率よく鍛えるゲームである
「オナラをしたらツッコミをいれる」

これはこの世界のルールなのだ
ある日僕が

ぶりゅう

と屁をこくと

「whao! it was boiling sause」

と、素早いツッコミがアレックスから来た

「わお!沸騰しているソースじゃないか」

悪くない

ジミーは

クスッ

と不敵な笑みを浮かべていた

ジミーは無口で無骨な感じなのだがかなり笑いのセンスがある

普段不満ばかり言うのだが

一瞬

笑いのスイッチが入るとめちゃくちゃに面白いイギリス人なのである

もっと面白い返しを思いついたのだろうかと僕はジミーを観察していた

そしてその時が来た

アレックスがベッドで横になっている時に

「i have a news from my ass!」

(ケツの穴からのニュースです!)

と言った直後
ぷすぅぅぅぅぅぅぅぅ

と屁をこいた
ジミーはアレックスのケツの穴からの情報を正確に処理し、瞬時にツッコミを入れようとしていた

しかしそのコンマ数秒後

アレックスのケツの穴からのニュースは、新しい情報を持ってきた

匂いだ
その匂いを嗅ぎとったジミーは脳内でパニックを起こした
「shiiiiiiiit!!」

「クソお!」

アレックスの屁が臭すぎて普通に怒ったのだ

ジミーはアレックスの攻撃を笑いという盾で守れなかったのである

アレックスは満足そうに笑っていた

そう

このゲームは

オナラをする攻撃側と

それをツッコミでディフェンスする側

攻守交代制のゲームだ

スマホのアプリゲームよりよっぽど面白い

ヒリヒリする心と心の戦いが現実世界で行われているのだ

しかし
これ

非常に危険なゲームだから良い子の皆は真似しないで欲しい

あまりにも強烈な攻撃力のオナラをこくと

それを食らった相手は「怒り」という自分を見失う感情に苛まれる

自分を見失った人間は面白くない

オナラ1つでそうなってしまう可能性がある

皆さん

出来るだけ人のオナラからは離れましょう

しかし

もし

満員電車の中でどうしようもなく

強烈な攻撃力のある放屁を食らったときは

「もしかして昨日の晩御飯はポテトが主食ですか?」

と聞いてみてほしい

オナラの攻撃を好奇心という盾で守るのだ

オナラに心をやられないためには
笑いと好奇心が大切である。

そんなある日

アレックスが

「I have a news from my ass!」

と言って屁をこいた

ビリッ

という音が部屋に響いた

僕等はその奇異なサウンドに反応出来なかった

一瞬の沈黙が流れアレックスが言った

「oh shit.i shit myself」

日本語になおすと

(やべ。でちゃった)

である。

地球の摂理だ

カルマだ

ジミーのカルマがアレックスのケツの穴から出てきたのだ

そんな生きていく上で非常に大切な事を僕は今、ここニュージランドで学んでいる。

職場のぶどう園から見える羊の群れ

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