キウイ農園DJ

どうもタケシコデス!

ここ最近の話。

僕らは、職場を変えた。

キウイの値段が下落して、会社がキウイを売り渋っているというのだ。
キウイをピッキングする必要がないので、僕らは、仕事がほとんどなかった。

そして、僕らは、仕事を変えた。

新しい仕事先は、別のキウイ農園だ。

結局、キウイのピッキングだ。

そして、 ここ以前僕らが働いていたところだ。

図々しくも、
「また働かせてくれないかな?」

と、ジュリーにお願いすると、快くうけいれてくれたのだ。

そして、僕らは、またジュリーの元で働くことになった。
そして、以前紹介したこのジュリー、 大阪のおばちゃん×3人ぐらいした、かなりの曲者なのだ。

新しいキウイ農園は、ジュリーをトップとした、カナダ人、 チェコ人、イギリス人、フランス人、ドイツ人、エストニア人 、日本人の14人体制だった。
そして、仕事初日の朝、キウイ農園に集まり、ジュリーによる、キウイのピッキングのイントロダクションが行われた。

「音楽イヤホンで聞くの禁止!スピーカーならあり!」

どんな、社内ルールだよ。

イヤホンを準備していた、ヨーロピアンが落胆の顔を浮かべていた。

何故なら、これから八時間、ひたすら キウイをもぎつづけるのだ。せめて音楽がないと発狂しかねないのだ。

そんな時、僕は、思い出した。

「オレ、スピーカー車の中に持ってる!」

勢いで口走ってしまったのだ。

すると、ジュリー。

「今すぐ持ってこい!」

なぜか、ボスがノリノリなのだ。

ジュリー、本気でこれを言うからおそろしいのだ。

皆が仕事を始める準備をしながら、こちらによってきた。

「仕事にぴったりの曲、宜しく!」

「 気持ちがハイになるやつ お願い!」
僕は、とんでもない間違いを犯してしまったと思った。

僕は、図らずともキウイ農園で、14人+スタッフ四人の元でDJ をすることになったのだ。

以前の職場では、ドイツ人の男の子が自前のスピーカーでDJ をしていた。

彼の選曲は、最初はよかった。

しかし、1日八時間、音楽を流し続けるのだ。

そして、毎日だ。

彼の体力は、1日で尽きた。

次の日も同じ曲が流れた。

そして、次の日も同じ曲が流れた。
皆が飽き始めた。

仕事の能率が下がった。

そして、ある時、サモア人のグループと近くで仕事をすることになった。

サモア人の 大音量のスピーカーの音に、ドイツ人の彼のスピーカーの音は飲み込まれた。
そして、彼は、スピーカーの電源を切った。

それ以降、彼のスピーカーから、音が流れることは、なかった。

ドイツ人の彼は、今、インフルエンザで寝込んでいる。

そんな、 強烈なプレッシャーが

「キウイ農園DJ 」には、掛かるのだ。
僕は、大きな 責任を 負うことになったのだ。

DJ タケシコだ。

僕は、それから毎日スピーカーを充電して、選曲を考えている。

聞き込み調査も行った。

結果、 ヨーロピアンバックパッカーは、いわゆる四つ打ちといわれる、一定のリズムを刻んだ音楽 が好きな傾向があるということを掴んだ。

僕の雑な聞き込み調査の結果だ。

僕は、 ハウスミュージックを流し続けた。
すると、ジュリーに言われた。
「 他のテイストの音楽ないんかい!」

大体、ジュリーは、僕の音楽にケチをつける。
そうなると、僕は、パニックだ。

ジュリーによって全てのDJ プランが崩れる。

パニックになった僕は、耳障りのよさそうな、牧歌的風景が見えるようなカントリーミュージックを流す。

すると、
「Hey Take.comoooooon!!」

と、ヨーロピアンから、 もっとノリのいい音楽を流してくれと注文が入る。

そうなると、僕は、更にパニックだ。

そうしてDJキウイ農園の洗礼を浴びているうちに1つ気づいた。

大体、多国籍のメンバーが、全員気に入るような音楽を流すこと自体無理なのだ。

そうなると、キウイ農園では、皆が聞いていて嫌にならない、かつ、 自然にキウイを どんどんピッキングしたくやるようなノリの良さげな音楽が、一番いいのではないかと。

それで、思った。

結局、ラジオで流れてくるようなヒット曲メドレーが 一番無難なのではないかと。
何故なら普段色んな場所で耳にしている曲は 、いざ ちゃんと聞いたときに親近感みたいな好感を持てるようになるからだ。

僕の勝手な仮説だ。

しかし!

それは、なんかつまらん!

世界中の人達に自分の音楽を聞かせることができるのだ。

こんないい機会は、なかなかない。

どうせなら日本人 のアーティストも紹介したい。

何故なら、オレが持ってきたスピーカーだからだ!

それなのに何故、文句言われないといけないのだ!

そう。

それがキウイ農園DJなのである。

朝の皆のテンション、キウイのコンディション、天気、 選曲に偏りがないか、ジュリーの機嫌、時間帯、 それぞれのメンバーの曲の好み、音量。etc

それらを考慮してキウイ農園のDJは、毎日音楽を流し続ける。

そして、ある時に言われる。

「この曲いいね!日本の曲?」

「ナイスDJ、タケ!」

DJが、救われる瞬間だ。
僕は、そうやって今日も、皆を喜ばせるべく、 音楽を流す。

ナンバーワン キウイ農園DJの道は長い。

プケヒナビーチの朝日

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