クジラ問題

どうもタケシコです。
先日
ダニーデンのとあるカフェで、出会ったニュージランド人の男の子とお酒を飲んでいた。

最初は当たり障りのない会話をしていたのだが、彼は、会話の中にちょこちょこ政治的な話題を出していた。

僕はそういう話に興味があったので聞いてみた。

クジラ問題について。
日本が最近商業捕鯨を再開したとかなんとかいうクジラ問題だ。

ニュージランドの人達の中には、日本が捕鯨をする事を極端に嫌がる人がいる。

それは、僕の肌感覚で分かっていた。

彼もクジラ捕鯨の話をしている時、極端に顔が曇っていた。

僕は、正直、自分の中でこの問題に関しては「答え」があった。
僕は「クジラ捕鯨賛成派」だった。

なんで自分の文化のことを海外の人に指摘されないといけないんだ!

って心の中では思っていた。
でも、この場で僕の意見を言ったら話がこじれるし、

どうせ

いつものように自分の話だけ押し付けて俺の意見は聞かないんだろうなと思っていた。

んで、テキトーに話を合わせてニコニコ聞いていた。(いつもそうしてた)

そしたら、彼がボソリと言った。

「日本人はいつもそうだ。ニコニコして自分の意見を言わずに、この場の空気を壊さないことだけ考えているんだよな」

ピキッときた。

こいつ。

論破させたろうと思った。

ニホンジンバカニシタ。
頭の中で唸っていた。

ただ、正直嬉しかった。
俺の意見をこのニュージランド人に堂々と言えるのだ。

言いたい放題言っていいのだ。

「クジラ問題についてディベートしよう」

僕はそう言って自分の意見を拙い英語で話し始めた。

「オーストラリアでカンガルー食ってるのは、日本文化の常識じゃないんだよ。クジラを食べるっていう日本の文化があって、ニュージランドにはないってだけじゃない?そこまでアツくなる理由がオレには分からないな」

英語だから、2分ぐらい掛けてこの想いを話した。

彼は、じっと僕の話を聞いて、理解できない所は聞き返してきた。

そして、僕が話し終わると彼が言った。

「カンガルーは、数が増えすぎて生物のヒエラルキーのバランスを崩しかねているんだ。クジラは数がめちゃくちゃに減っている現状でカンガルーと同じ考え方をするのは良くないと思うな」

(僕の解釈なので事実かどうかは分かりません)

・・・確かに!
納得してしまった。
それで切り札を出した。
「じゃあ歴史的に見て、捕鯨していた国が日本だけじゃないと言う事はご存知ですよね?今は捕鯨を止めている国は沢山ありますけどクジラの数が減少している原因は何も日本だけじゃないですよね?自分達のやってきた行いを無視して日本に押しつけるのはおかしくないですか?」
彼は、僕の意見を聞いて、一瞬止まった。

苦々しい表情を浮かべていた。
そして、僕に言った。

「ニュージランドにある宗教があってさ」

よく見ると、彼は目に涙を浮かべていた。

そして彼が言った。

「その宗教では、クジラは神なんだよ。だから止めろとは言わないけど、なんかさ凄く嫌な気持ちになってしまうんだよね」

ズキリときた。
理屈じゃなかった。

彼の発言を聞いて、うるっときた。
「sorry」

僕は無知だった自分に謝った。
「いいんだ、気にしないで」

彼は何事もないように話を流した。
その後、僕は、日本の政治について彼が思う事をたくさん聞いた。
楽しかった。

たぶん彼も、自分の事を話したかったのだろうなと思った。

そして、僕は気づいた。
僕は相手の話を聞いていないのに、相手に自分の意見を伝えようとして、結局、無理だと思って諦めていたんだ。
これからは、人の話にちゃんと耳を傾けようと思った。
クジラ問題の答えについてはこのブログを見て自分なりに考えて欲しい。
相手の考え方を理解するにはまず自分の常識をゆるゆるにして話を聞かないといけない。
特に多文化の人の意見は自分にとって「斜め上すぎる」時があるから。
書きたいことを書いたブログでした。

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